2013年2月27日

ロンドンでのa-ha写真展


去年a-haの写真集をリリースし、マグスのギャラリーで写真展を開いたStian Andersenが2月28日~3月17日、ロンドンでも写真展を開催します。(オープニングは27日)
a-ha.comのニュースは日本語が載ると思っていたのですが、いつの間にか日本語のリンクが消えていた・・・と思ったら、これはパソコンの不具合だったようです。
それでもせっかくまとめたので、ここでの日本語は置いておこうと思います。
(オープニングにはマグスも出ていたので、そのうち写真リンクぐらい残しておかないと後で探せなくなりそうです。)


a-ha.com: a-haの写真集はよく売れていますが、限定リリースだったので入手できないファンが大勢います。

Stian: もう売り切れたと思って世界中から問い合わせがあるけど、幸いまだ300冊ほど在庫があるからPressで買えるよ。メール( marked@fpress.no )で氏名、住所、電話番号、冊数を連絡すればいいけど、すぐ売り切れると思うから早めにね。
ロンドンのギャラリーでは販売しないけど、僕が12冊ぐらい持って行くから、メール( mail@stianandersen.com )で予約できるよ。(先着順)

写真集は時間の流れに沿うのではなく、ツアーでの孤独感、開演前のエネルギー、曲作り中のメンバー同士の関わり等、バンドの様々な側面を反映させています。

Stian: レイアウトや順番は以前にも一緒に仕事をしたデザイナー、Are Kleivanと一緒に考えた。時系列に並べるのではなく、a-haの一生で似た部分や違いを映し出せるような違ったテーマでまとめた方がずっと興味深いと気がついた。

ツアーに出る前、ある程度テーマを考えてはいたけど、その場に居合わせるまで予測できないことは多いからね。

ファイナルツアーは25年の集大成を祝うものだった。ただ感情的なものではなく、涙はたくさんあってもステージで華々しいパーティーをしたかったんだ。
僕の写真は最後のSpectrumだけじゃなく、ステージのエネルギーを映し出したものになったと思うよ。

ツアーの締めくくりはいろんな感情が入り交じり、一方では大きな開放感もあったけど、今までの長い年月を経て素晴らしい冒険が終わりを迎えたことは、メンバーにとって感情のこみ上げる瞬間でもあった。

ステージを下りるとパフォーマンスとは全く違い、一緒に飲みに出かけたりすることはもうなかった。楽屋も車もみんな別々でそれが当たり前だったし、写真集にも反映させたかったことの1つだよ。25年間を祝うツアーは世界中で1年間バカ騒ぎをすることじゃなく、パーティーもほとんどなかった。何ヶ月もアルコールやコーヒー、甘いものなんかに手を出さない時期もあった。健康的だけど退屈だったよ。バンドが明け方までシャンパンを飲むような写真を撮りたかったらa-haじゃなく、モトリー・クルーとツアーに行ってたけどね。

孤独に見える写真は、サウンドチェックの迎えが来る前にホテルの部屋で新しい曲を作っていたり、開演前に30分ほど仮眠していたり、終わってからバックステージでくつろいでいたり、たぶんツアーで一番神聖な瞬間だったと思う。

モートンがステージの横でヒーリングを受けていたり、写真を撮るにはプライベート過ぎると思った時はあった。彼らには誰にも邪魔されず充電することが必要な時間だったけど、運良くそんなプライベートな瞬間に居合わせて撮ることもできた。

Stianの新しいドキュメンタリービデオで、初めてのサイン会の様子について、a-haファンの長い行列に驚いたことを話しています。
a-ha:com: 金曜日の午後に4時間もサインをし続け、翌日もサイン会をしましたね。何百人ものファンと話したり写真を撮ったり、質問に答えたりしていましたが、a-haとの仕事について一番多く聞かれたことは何ですか?

Stian: バンドとの仕事についてはあまり聞かれず、ようやく出版できたことへの感想を聞かれたよ。バンド活動の終盤についてこれほどまとめ上げたことをどれほど感謝しているかを伝えてくれた。

世界中から集まったファンと話せてとても楽しかった。多くの人達がバンドだけではなく、写真を気に入って深い興味を持ってくれた。

この写真集や写真展にどれほど大きな意味があるかということに感動したし、本当に報われたよ。

a-ha.com: 写真家は写真で物事を伝えますが、伝えたかったのに伝えられなかったことはありますか?取り損ねた、撮らないよう言われた、写真はあるけど公開できなかったというようなことは?

Stian: 撮らないよう言われたことが一度だけある。モートンの声が出なくてほとんどショーをキャンセルせざるを得ない状況だった時、ステージに上がる直前のモートンと10秒ほどバックステージにいた。他のメンバーはもうステージにいて、彼は本当に必死で集中しようと頑張っていた。真っ暗でフラッシュを使う必要があったんだけど、2枚撮ったところでモートンが手を振って撮影をやめるよう意思表示した。写真を撮らないよう言われたのはあの時だけだね。

a-ha.com: モートンもマグネも、あなたがたいていさりげなく写真を撮ると言っていました。誰に対してもそうですか?それともa-haに一番合っていて他でも使う方法でしょうか?

Stian: ドキュメンタリー写真家としても個人としてもいい表現だと思う。ロックスターでも、ケニアのスラム街にいる売春婦でも、パプアニューギニアのジャングルにいる部族でも、人やその人達の生活を記録したい時に一番いい結果を出せる方法だよ。

プロモーション写真なんかは別だから、もっと立ち位置やポーズを指示する必要があるけどね。

a-haのツアーマネージャー(Kleo)は、そこまで近づいて立ち入れるのは世界でも僕だけだって言うよ。

ロンドンの写真展は2月27日にオープンします。
a-ha.com: a-haはロンドンを特別な場所だと何度も話していましたが、その街に写真を持って行くことについて反響は?

Stian: ロンドンは一番よく訪れた場所。5回行って6回違うコンサート、Notting Hills Arts ClubであったMagne Fのパフォーマンスを入れれば7回だね。

反応はものすごいよ!初日がいっぱいで2日目の28日(2PM-4PM、ギャラリーに出欠の返事を)もイベントを企画しているけど、僕は両方に出席するよ。

このプロジェクトを引き受けたこと、初めて写真をロンドンに持って行けることは、夢が叶ったとしか言いようがない。

Oasis、Nick Cave、Wu Tang Clan、Prodigy、Fatboy Slim等の写真を撮って、ここ20年に何度もロンドンで過ごしたから。

オスロで展示した写真は19点だったけど、ロンドンは34点になる。限定版の写真販売もあるよ。

彼らのオフィシャルフォトグラファーとして過ごした10年間を厳選したものになる。きっと楽しんでもらえるよ。

a-ha.com: イギリスでのコンサート全ての中で一番特別なのは?

Stian: 2010年、オスロ・フィルハーモニーとアルバム2枚(Hunting High and LowとScoundrel Days)を演奏したRoyal Albert Hall。

a-ha.com: 本に書かれたお気に入りの1つにポールの"彼は僕達よりずっとロックンロール”という言葉があります。a-haは典型的なロックンロール・タイプではないことで有名ですが、彼は明らかにほめ言葉として使っていました。自分でもそう思いますか?

Stian: 大阪のサマーソニックで同じ日にジェイ・Zが出ていて(http://wmg.jp/artist/jayz/news_29964.html)、僕はa-haの後どうしても行きたかったからなんとかみんな連れて行こうとしたんだ。とても無理だったからエリック(Erik Ljunggren)とマグスの息子2人(ThomasとFilip)と行ったんだけど。

何杯かのキリンビールとどこにでも出入りできるパスでジェイ・Zのすぐ前、ほんの2mほどの写真撮影エリアに入ることができた。

人生最高のコンサートで踊りまくっていたことを覚えているけど、ショーの後、もっと飲もうとバックステージに行ったらあのヒップホッパーが通り過ぎ、2秒後にこっちへ戻ってくるのが見えた。

彼はまっすぐ僕の目を見て手を握り、“Hey, thank You man! You made my energy tonight!”(ありがとう、今夜は君がエネルギー源だった!)と言ったんだ。卒倒するかと思ったよ!

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a-haの解散まで、すぐ近くでいろんなことを見てきた人だけに、読んでいていろんなことを思い出させてくれるインタビューでした。

一度だけ写真を撮らないように言われたのは、この舞台の直前のことだと思います。
体調不良で声が出ず、ドクターストップがかかっていたほどモートンのコンディションは最悪でした。ファイナルツアーは公演の延期ができず、ダメならキャンセルしかない。そうなるとこの会場(ドイツのキール)ではファンに最後のさよならを言えなくなってしまう。そんな事情からどうしてもキャンセルはしたくないと、無理に決行されたコンサートでした。
集まったファンが一緒に歌うことで無事に終えることができたそうですが、この公演の他の動画にはa-haを手伝えて嬉しかったというコメントも寄せられていました。